大御本尊決別問題の経緯 2016.2.23

 一昨年前より会員の知らぬところで始まった、「大御本尊決別問題」を、「遠藤文書」をもとに整理しておきましょう。

【問題の要約】
・執行部が大御本尊との決別を決定
・池田氏は、曖昧なままで良いとの意向。


流出文書広まる

師の意向を無視したと見られる執行部へ、会員から怒り噴出

ことの発端
 一昨年、学会執行部は池田名誉会長の健康問題のある中、生前に教義を改変する必要性があることで、それまで信仰の根本としてきた大石寺に厳護される、戒壇の大御本尊から決別をする画策を進めた。  そもそも、10数度に及ぶ会議によって大御本尊の意義変更を話し合っていること自体、名誉会長不在であったことを裏付けている。

2013年9月
「学会常住御本尊」の意義付けについて小委員会発足。
出席者 谷川事務総長、金沢組 織総局長、秋谷議長、八尋弁護士、森田康夫氏。教学部から遠藤総合教学部 長、森中教学部長、宮地 。

八尋弁護士 「多少の退転はやむを得ない。9割は付いてこれる」
秋谷議長 「弘安二年の御本尊については、南無妙法蓮華経の法体を文字曼荼羅に図顕された御本尊であるが、唯一絶対の御本 尊と大聖人が定められた証拠はない。」
谷川総長 「『出世の本懐』の意味だって変えればいいんだ。独立した教団なんだから、変えてもいいんだし、変えられるんだ。南無妙法蓮華経の御本尊を顕したことにすればいいんじやないか」
※発言時期は不明
2013年9月19日
大山第一庶務室長 「池田先生は全くそんなことを言われていない」「会長もそうした指導は受けていない」「こんなやり方をしていたら学会の信心も教学も崩れてしまう」と明言
2013年9月20日
長谷川本部長 「池田先生は大御本尊と決別するなどとは言っていない」「会長は嘘をついている」「御本尊では宗門と決別できない」「急いでやる必要など全くない」
2013年9月28日
教学部「総本部の御本尊と日蓮世界宗創価学会会憲の問題点」と題するレポート作成 「本門戒壇の大御本尊」と、総本部に安置される「創価学会常住御本尊」について、最高幹部の一部が、教義的な意義の変更を強硬に推し進めています。とはじまる、文書では、執行部の強行な教義改変が行われることに学会存亡の危機を訴える。
数ヵ月後、この文書がマスコミに流出。
2013年10月3日
原田会長 方針撤回
2014年7月
遠藤総合教学部長へ漏洩にともなう査問。 遠藤氏からは、執行部へパワハラ問題、教義改変についての質問状が出される。(のちに流出する「遠藤文書」参照)
2014年8月
月刊誌2誌にこの内容が掲載される。
直後から、この文書「教学部レポート」が学会員によって、ネットを通じて配信される。
2014年11月8日
原田会長 聖教新聞で「大御本尊を受持しない」を発表。
15年1月29・30日
「本門の本尊」としては、「弘安2年(1279年)の御本尊」も含まれるが、それのみが「本門の本尊」だとするものではない。
と寄り戻すかのような曖昧な教義解説を、聖教新聞に掲載。
※解説は、教学部名で掲載されたが、他の者(部署)が作成したことは明らかである。
2015年2月
遠藤総合教学部長が執行部へ提出した「遠藤文書」が配信される。
遠藤氏はその後、解任される。

教学部レポートとは

この文書は、会議に参加していた教学部・宮路氏が作成、流出したもの。 執行部の強行な教義変更により、池田先生がすべての矢面になりかねない。会員に混乱を及ぼすとした内容で、会内へ警告を発している。


______引用(抜粋)______
御本尊の教義変更がもたらす影響  
まず教義変更についてですが、総本部に安置される「学会常住御本尊」は日昇法主による「戒壇の大御本尊」の書写、国内外の会員が日夜拝している御形本御本尊は日寛上人による「戒壇の大御本尊」の書写です。本質次元においては、「戒壇の大御本尊」も、書写された御本尊も、南無妙法蓮華経という同じ法体が顕現したものであり、同質・平等と言えます。しかし、書写された御本尊には、「之を書写し奉る」と明記されており。 「戒壇の大御本尊」を必要以上に否定すれば、書写された御本尊自体の存在根拠が不安定化しかねません。会員が日夜拝している御本尊の根拠が揺らげば、会員の信仰が動揺してしまいます。

小委員会の結論は、次のような方向で確定していたのです。
1.「戒壇の大御本尊」は、もはや謗法の宗門の本尊であり、功力もなく、学会とは何の関わりもない。その意味を否定しておかねばならない。

2. 総本部こそ世界広布の根本・中心であり、そこに安置される「創価学会常住御本尊」こそが「戒壇の大御本尊」に変わる新たな「大御本尊」である。
______引用終わり______


遠藤文書とは

この文書は、教学部レポートが流出したことを受けて、遠藤総合教学部長が執行部へ、昨年7月、質問状として提出したものと思われる。以下は、その文書を抜粋したものである。


______引用(抜粋)______

(大御本尊決別について)池田名誉会長は、  「そこまでする必要があるのか。今は事件を起こしていくというのは小さい考え方だ。もう少し流れの様子を見ていきなさい」と明快に御指導されています。

「戒壇の大御本尊とは決別する」「学会常住の御本尊を大御本尊と位置付ける」と池田先生から御指導を受けたという原田会長の発言について、昨年の9月19日、大山第一庶務室長は、「池田先生は全くそんなことを言われていない」「会長もそうした指導は受けていない」「こんなやり方をしていたら学会の信心も教学も崩れてしまう」と明言されました。  また翌20日、長谷川本部長は、「池田先生は大御本尊と決別するなどとは言っていない」「会長は嘘をついている」「御本尊では宗門と決別できない」「急いでやる必要など全くない」と確言されました。  

(宮地から流出したレポートの責任追及)  漏洩騒ぎの際には、調査委員会から、私のコンピューターと携帯電話が一方的に取り上げられました。再三、不当性を訴えたにもかかわらず、今に至るまで返答がありません。職員の就業規則に背く越権行為であると考えますがいかがでしょうか。

(執行部に対して)  
日寛上人の教学を根本としてきた戸田先生以来の伝統の学会から離反する「分派活動」ではないでしょうか。

お教えください
 創価学会は、いついかなるときも「池田先生が基準」なのではないでしょうか。 「そうでない」と言うなら、会長の意図に従わず、阻止しようとした私どもは「分派活動」となるのでしょう。 「そうである。池田先生が基準である」と言うなら、池田先生の御指示でない教義変更を強要した方が「分派活動」をなされたことになります。だからこそ「内容次第」なのです。  

 反対に、会長の指示が御書と三代会長の指導と異なっているにもかかわらず、関係者の再三の指摘にも耳を貸さず、強行するのであれば、それこそ大切な多くの会員を自らの「仏法違背の道」に巻き込み、道連れにしていく「分派活動」に他なりません。そうではないでしょうか。

今回行われようとした教義改変は明らかな誤りです。
こうした暴挙の阻止のため、同憂の士が集まることは、御言に照らし、道理に照らして、正義であります。

 学会の原理原則にかかわるこの問いに答えず、沈黙したまま、「処分」を強行されるのであれば、それは会長みずから率先して「師弟の道から逸脱している」姿ではないでしょうか。それ自体が、私どもの行動の正しさを強く「裏づけ」「実証」してくださることになるのではないかと考えます。

「これは先生の明確な御指示」という言は真実なのでしょうか
このように、問題の要点は「振出し」に戻ります。
「池田先生は、大御本尊との決別を大前提とされていた」のか否か?
「今、大御本尊と決別することが先生の明確な御意思であった」のか否か?
この「内容」こそが、最重要のポイントです。

そもそも今回の教義改変の画策は、当会の意思決定のルールから逸脱したものではないでしょうか。
第1に、学会の未来を決する重要事でありながら、永遠の指導者である池田先生に、最終盤に至るまで、決裁を仰ぐ「報告書」すら提出していない。
第2に、執行部の合議を経ずに、独断専行的に決めようとした。
第3に、小委員会を推進派で固め、密室で協議を進めた。
第4に、教学部に対し、従来の教学とまったく整合性のとれない教義改変を強要した。
第5に、その際、「恫喝」まがいの荒々しい言動が繰り返された。
第6に、全てが池田先生の御意思であるかのように印象づけ、日本とSGI各国の首脳たちの意見を出しにくくさせた。
第7に、責任役員会の際、事前に根回しした一部の人間に示威的な言動をさせるなどの不明朗な策略を巡らした。九州の山本氏、北海道の浜名氏から直接うかがっています。

これらがルールの逸脱でなくてなんでありましようか。

私も65歳になろうとしています。もはや地位も立場も何も惜しくはありません。むしろ「我身命を愛せず但無上道を惜しむ」との法華経の経文を、かつてない実感をもって拝せることに無上の喜びを感じております。憂えるのは、ただ学会の将来であり、「池田先生第一」で生きている真面目な後輩たちの活躍の道を閉ざしたくないという一心で、申し上げました。その真情に免じて、数々の無礼の言、ご容赦を賜りますように。そして、大慈大悲をもってこれらの疑問に答えてくださいますよう、重ねてお願い申し上げます。

2014 年7 月17 日  遠藤 拝

______引用終わり______

※()内は当方の加筆です。

この文書は日増しに拡大を見せている状況だが、 執行部への擁護の声は無く、 執行部を裏切り者扱いする批判が相次いでいる。




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